クロスロード辻口の「たまに配信するメルマガ」
「人間との対話」と「生成AIとの対話」は何が違うのか? ( シリーズ その6)。
ポイントは3つ ①アブダクション推論 ②記号接地問題 ③論理性と物語性
今回は、「②記号接地問題」の3回目です。
AIは身体をもたない・言語の世界でしか考えていない。
言ってみれば、言語(記号) の世界をフワフワ漂っているような状態です。
一方、人間は身体をもっているからこそ、五感を使って、豊かに・ 重層的に理解・実感できる。
そうすると、いくつかの個物を見て、その共通性(本質) を見抜いたり、抽象化したりできる。
こうした所が、身体をもつ人間が「わかる」ということの特徴です 。⇒ここまでが前回のお話。
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今回は、身体をもつ人間が、「できる」ようになることについて考 えてみます。
よく、「手探りで物事を進める」なんて表現をしますよね。
どういうものが正解かわからないけど、 あれこれ試行錯誤しているうちに、
「こういう感じかな?」という結論に辿り着く。
たとえば、ある中小企業が、初めて今年から新卒採用を行う。
こういうのは手探りですよね。どんな人材が必要で、 どうしたら対象者にアプローチできるのか。
どうしたら当社に興味をもってもらえるのか。定着、育成など、 考えることが山ほどあります。
こういうのは手探りですよね。どんな人材が必要で、
どうしたら当社に興味をもってもらえるのか。定着、育成など、
いろんなところから情報を集めながら、 なんとか自社なりに採用活動を進めていく。
こういう進め方は「人間ならでは」です。
「でも、AIも試行錯誤できるよね?」 と疑問をもつ方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、AIも試行錯誤できます。
ここで、以前ご説明した、「 AIは前提条件と望ましい状態をつなぐものだ」ということを
思い出してください。乱暴に言うと、「経路検索みたいなものだ」 ということです。
出発地から目的地に行くのに、いろんな行き方がある。
AIは、この「いろんな行き方」を試行錯誤することはできます。
しかし、目的地が曖昧なまま出発して、 試行錯誤しながら目的地を見出して辿り着くようなことはできませ ん。
端的に言うと、「目的地は人間が決めないといけない」ということ です。
AIには「強いAI」と「弱いAI」があります。 そういう表現があるんですね。
「目的地をAI自身が決められる」というのは「AIに意思がある 」ということです。
このようなAIを「強いAI」と言います。しかし、まだ実現して いません。
現在のAIは、すべて「弱いAI」です。
それと、人間の試行錯誤には特徴があります。
人間には「ゆらぎ」があります。
同じことを繰り返しているつもりでも、 実は同じようにできていない。必ず毎回違う。
なので、初め間違っていても、繰り返しているうちに、 うまくできたりする。
そうすると、手応えが感じられて、「おっ!」と思う。
今度は、手応えが感じられたプロセスを思い出しながら、 再度やってみる。
「ここをこうやって、ここをこうして、さらにこうすると、 こうなるんだな」
初めのうち、やみくもにやっていたのが、 プロセスにリンクが張れるようになる。
そうしているうちに、再現可能性が高まります。
これが、いわゆる「コツをつかむ」ということです。
こうした所が、身体をもつ人間が「できる」 ようになる大きな特徴です。
ちなみに、この「コツをつかむ」の「コツ」とは「骨」のことです 。
肉をつかむとぶれるけど、骨をつかむとぶれないですよね。
だから、コツをつかむと再現可能性が高くなる。
一方、AI(とつながっている機械)には、「ゆらぎ」 がありません。
間違ったやり方を指示すると、 ずーっと間違ったやり方を繰り返します。
しかも疲れない。 堂々と自信たっぷりにひたすら間違いを繰り返します。
人間の場合、上司が間違った指示を出しても、 優秀な部下は試行錯誤しながら
正解らしきものに辿り着きます。なぜかと言うと、人間は疲れるか らです。
間違い続けたら、そりゃひどく疲れます。だから、 なんとか正解に辿り着こうとする。
まあ、良くないことですが、上司に「甘え」とか「曖昧さ」 が許されるわけです。
AIの場合、間違った指示を出したら、ひたすら間違い続けます。
なので、指示を出す人間が正しい(本質的な) 理解をしている必要があるわけです。
この1年ほどで、AIを使いこなすのが、 若手からシニア層に急速に移行しています。
問題の本質がわかっているシニアが直接AIを使ったほうが効率的 ですよね。
でもそうすると、若手が必要なくなってしまう。
さらに、若手の皆さんが試行錯誤する機会がなくなってしまう。
すなわち、貴重な教育の機会がなくなってしまう。これ、 とても大きな問題です。
余談ですが、 アメリカでは理工系の学生の採用人気が落ちているそうです。
一方で、哲学出身の学生の人気が高まっていると聞きます。
「物事の本質をつかむ訓練をしているから」 というのが人気の理由だそうです。
でも、面白いですよね。
人間の「ゆらぎ」とか「疲れる」とかって、 マイナスに思えますが、
実はだからこそ「できるようになる可能性」が広がる、 プラスの側面もある。
身体をもつ人間が「できる」ようになるプロセスは、 実に面白く可能性に満ちています。
今回で、②記号接地問題はおしまいです。
次回から、③論理性と物語性についてお話しします。
人間は、何もないところから物語を生み出すことができる。
これはすごい能力なんです。
次回配信も、やはり未定です(苦笑)。
ゆる~く書いていきますので、引き続きお付き合いください <(_ _)> 。
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