□■□■--------------------------------------2013.1.16------□■□■
クロスロードの辻口です。
今日は、「営業マンに必要な『聞き出す力』とは・・・」というお話です。
ご存じのように、当社は昨年後半から
「聞き出す力養成講座」という研修に力を入れています。
そこで私は、初対面の人に自己紹介する時に、
「聞き出す力をつける研修をやってます」なんて言っています。
そうすると、
「それって、コーチングと、どう違うの?」と聞かれることがあります。
私は、この質問を受けた時に、
そのまま「コーチングと、どう違うか」を説明しないようにしています。
相手が、なぜそういう質問をしたのか、本当は何が聞きたいのか・・・。
そうした意図を、やんわり聞き出してから、
それに答えるようにしています。
実は、この質問をする人のほとんどは、
「コーチングと、どう違うか」が、知りたいわけではないんです。
「聞き出す力をつける研修」って、珍しいですよね。
そんな名前の研修は、まず耳にしませんよね(^^;
そのため、いきなり「聞き出す力をつける研修」と言われても、
初めての人にはピンとこないんですね。
「え?何それ?」と思うわけです。
とはいえ、「え?何それ?」と思っても、
初対面だし、とっさのことで、どう聞いていいかわからない。
まさか、そのまま「何それ?」とは聞けませんしね(笑)。
そして、「聞く」というとコーチングを連想する人が多いので、
「コーチングと、どう違うの?」という質問が出てくるわけです。
だから、こう聞かれた時には、もう少し踏み込んで、
相手の聞きたいことを明確にしてから、説明を始めるようにしているんです。
そもそも、コーチングのことがよくわかっていないのに、
「コーチングとどう違うの?」って聞いている人が多いし・・・(苦笑)
実は、多くの人は、自分が、何がわからないのか、
何が聞きたいのか、よくわからないまま質問をしているのです。
これって、すごい盲点なんですよ。
だから、営業マンは「お客さんの質問に答える」だけではダメなんですね。
「相手が本当は何を聞きたいのか」ということを聞き出して、
それに答えなくてはいけないんです。
よく、「差別化が大事だ」と言われますよね。
「他社の商品との違いがうまく語れないと、商品が売れない」
と考えている営業マンがたくさんいます。
これって、「他の商品と何が違うの?」という質問を、
真に受け過ぎているんです。
私は、「差別化ができていないから商品が売れない」というのは、
言われているほど大きな要因ではないと思っています。
他社の商品との違いがわからなくても、
その商品が必要だと感じて、その商品が目の前にあれば、
お客さんは、その場で、その商品を買ってくれるものです。
他社の商品との違いがわからなくても、
その商品が必要だと感じて、その営業マンの印象がよければ、
お客さんは、その営業マンから、その商品を買ってくれるものです。
お客さんが自社の商品を買わないのは、
「他社の商品との違いがわからないから」買わないのではなく、
「自社の商品の必要性がわからないから」買わないのです。
だから、大事なのは、
「他社の商品との違いをわかってもらう」ことよりも、
「自社の商品の必要性をわかってもらう」ことなんです。
営業マンにとって大切なのは、
「他社の商品との違いを、聞かれるままにペラペラしゃべる」ことではなく、
「そのお客さまに、自社の商品の必要性を気付かせる」ことなんです。
そして、そのために「聞き出す力」が必要なのです。
ちょっと、理屈っぽくなっちゃいましたね。ゴメンナサイ。
具体例を挙げましょう。
私は昔、ベンツに乗っていました。
これは、その時にお世話になった、
ベンツのベテラン営業マンから聞いた話です。
そのベテラン営業マンは、
「ベンツは、BMWと、どこがちがうの?」と聞かれたら、
ニッコリ笑って「ベンツはベンツですよ」とだけ答えるのだそうです。
もちろん、いやらしく皮肉っぽく言うのではなく、
爽やかに、でも自信たっぷりに言うのですよ。
ではなぜ、彼は「ベンツとBMWの違い」を語らないのか?
それは、「ベンツとBMWの違いが本当にわからないような人は、
ベンツもBMWも買わない。だからそういう人に対して、一生懸命に
BMWとの違いを語っても意味がない」からだそうです。
面白いですよね。さすがベテラン営業マン(^^)。
さらに面白いのが、
彼は「実は、ベンツとBMWの違いを語るのが大好き」なんだそうです。
彼は、「ベンツとBMWの違いがわかる人」に対しては、
「BMWと比較することで、ベンツのよさをさらにわかってもらえるように、
一生懸命に語る」のだそうです。
一方、「ベンツとBMWの違いが本当にわからない人」に対しては、
「両者の違いを教えるより、その人にとってベンツが必要かどうか
考えてもらうために、あれこれ質問していく」そうです。
そうすると、元々興味のなかった人でも、
ベンツを買ってくれることがあるそうです。
実際にあった例だそうですが、
「車なんか動けばいいんだ」「なんでみんなベンツなんか買うのか」
と言っている社長がいたそうです。
ベテラン営業マン氏は、その社長と話している時にも、
「ベンツとBMWのどこが違うの?」と聞かれたそうです。
その時、彼は、例によって「ベンツはベンツですよ」とだけ答えて、
その後に「車を使うのは、どんな時ですか?」と聞いたそうです。
すると、その社長は「ゴルフに行く時だよ」と答え、
実はゴルフが大好きだということがわかったのです。
そこで、ベテラン営業マン氏は、
ゴルフの中嶋常幸プロがベンツに乗っている話をしたそうです。
中嶋プロは、「ベンツは運転がとてもラクでストレスがないので、
試合前のナーバスな時にはとても有難い」ということで、
ベンツの大ファンなのだそうです。
その話をすると、社長のベンツについての質問が、
やたら具体的になっていったそうです(^^)。
中嶋プロは、長いスランプを経て復活を果たしたした人なのですが、
その社長は、そうした中嶋プロの姿勢に共感を覚えていたのだそうです。
「車なんか動けばいい」と思っていた人が、
「ゴルフ」「中嶋プロ」を介してベンツに興味を持ったわけですね。
その後、ベテラン営業マン氏は、
ベンツの歴史や、車作りの哲学、安全についての思想などを、
ゆっくりとその社長に語り始めたそうです。
私も聞きましたが、
ベンツって、その昔、ヘリコプターを作っていたのだとか。
あの「スリーポインテッドスター」と言われるマークは、
ヘリコプターのローターを模しているものだそうです。
面白いでしょ。
あ、話がズレちゃった・・・(^^;
でも、やっぱりベンツは違いますよね。
やっぱりイイです。
車としてイイだけでなく、
このベテラン営業マン氏の話を聞けただけでも、
ベンツに乗ってよかったなあと思っています。
とはいえ、維持費がけっこうかかるし、燃費悪いし、
最近は子供たちも大きくなって一緒に遊んでくれないから、
一人で乗ることが多いし・・・。
ということで、今は、
最近はやりの「エコカー」に乗っています・・・(^^;
我ながら、軽薄だなあ・・・。
今日のまとめ
●多くの人は、自分が何がわからないのか、何が知りたいのか、
わからないまま、質問している。
●だから、営業マンは、お客さんの質問に答えるだけでなく
お客さんが何を知りたいのか、より踏み込んだ上で答える必要がある。
●「差別化」は、商品を売る上で、世間一般で言われているほど
大きな要因ではない。
●お客さんが商品を買わないのは、
「他社の商品との違いがわからないから」ではなく、
「自社の商品の必要性がわからないから」。
●大事なのは、
「他社の商品との違いをわかってもらう」ことよりも、
「自社の商品の必要性をわかってもらう」こと。
●営業マンが、やるべきことは、
「他社の商品との違いをペラペラしゃべる」ことではなく、
「そのお客さまに、自社の商品の必要性を気付かせる」こと。
●そのためには、「聞き出す力」が必要。
ということで(^^)今年第1回目のオープンセミナーのご案内です。
タイトルは・・・、
「自社の商品の必要性をわかってもらうために、
営業マンに必要な『聞き出す力』について!」
あはっ。タイトル長っ・・・汗。
セミナーでは、「聞き出す力養成講座」のメソッドを活かしながら、
営業マンに必要な「聞き出す力」についてお話をしていきます。
これまでに私のセミナーに参加された方にとっては、
「復習と応用問題」という感じになると思います。
もちろん、始めて参加される方にとっても、
わかりやすく説明していきますよ。
どうぞ、楽しみにして、いらしてくださいね(^^)/
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2013年 第1回目のオープンセミナーのご案内です。
「自社の商品の必要性をわかってもらうために、
営業マンに必要な『聞き出す力』について!」
●日時 2/13(水)19:30~21:00
●場所 調整中(日本橋人形町を予定)
●料金 5,000円
●申込 本メール( mailmag@cross-r.jp )に折り返しご連絡ください。
今年は「聞き出す力」をテーマに据えて、
様々な切り口でセミナーを開催していきます。
私が講師を務めるだけでなく、ゲスト講師も招きますよ。
3月は、元検事の方をゲスト講師に招いて、
「聞き出す力」についてお話しいただく予定です。
こちらも、楽しみにしていてくださいね。
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●編集後記
月曜日は、すごい雪でしたね・・・。みなさんは、大丈夫でしたか?
私は、おかげで予定がすっかり狂ってしまい、バタバタしています。
メルマガも配信が遅れてしまい、申しわけありません。
でも調子が狂っちゃうのって、意外とドキドキして面白いんですよね。
思い通りにいくことばかりが、必ずしもいいとは言えませんからね。
なあんて、いい加減な考え方かなあ・・・。
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※ 本文中、話をわかりやすくするために割り切った表現をしています。
ご容赦くださいませ。
※ 本メールで得たノウハウや考え方、ヒントなどを、転用、転載、転送
するのは、まったく構いませんし、出典を明示する必要もありません。
遠慮なさらず、どんどん使い回してください(^^)。
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