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【対話の中に答えがある ~ クロスロード辻口の「対話上手になるメルマガ」】
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クロスロードの辻口です。
今日は、
「テクニカルスキル」と「ヒューマンスキル」・・・
というお話です。
以前、「テクニカルスキル」と「ヒューマンスキル」の比較について考察したことがあります。
テクニカルスキルとは、業務に直結するスキルのことで、「自分の手を動かすためのスキル」と言われます。
具体的で、テストで測りやすいスキルですね。
(「テクニカル」とありますが「技術者のスキル」とは限りません)
ヒューマンスキルは、社内調整やマネジメントなど「他の人と協力して仕事をするためのスキル」のことです。
これは、抽象性が高く、テストでは測りにくいと言われています。
一般に、職位が上がるほど、テクニカルスキルよりもヒューマンスキルのほうが重要になっていきます。
そうすると、ヒューマンスキルを伸ばすことが必要なのですが、「ヒューマンスキル」という名の通り、
「生まれ持ったもの(個人の資質)である」というイメージが強いんですね。
そのため、ヒューマンスキルを伸ばす(学ぶ・教育する)という発想が生まれにくい。
その結果どうなるかというと、マネージャーが育たないわけです。
現場仕事はできるけど、マネジメントができない人が多くなる。
キチンとマネジメントできるマネージャーがいないけど、組織は維持しなければならない。
そこで、苦肉の策として「プレイングマネージャー」という仕事が生み出されました。
プレイングマネージャーは、自分の部署の数字で評価されるので、どうしても「部下を育てること」よりも、
「自分で目いっぱい数字を上げること」に注力してしまう。
そうして、少子化で若い人が少ないのに、若い人が育てられない環境が生まれてしまっている。
これには、我々のような教育に携わる者も大いに反省する必要があります。
想像がつくと思いますが、テクニカルスキルを伸ばす教育コンテンツを作るよりも、
ヒューマンスキルを伸ばすコンテンツを作るほうが、やはり難しいんです。
そのため、ヒューマンスキルを伸ばす優良な教育コンテンツが少ないのです。
ここで、ヒューマンスキルを伸ばそうとする際に理解すべきことがあります。
それは、「テクニカルスキルとヒューマンスキルでは、習得プロセスが異なる」ということです。
わかりやすく図にしてみましょう。
この図、すごく大事なんですよね。。。
私は対話の教育を専門にしていますが、「対話力」というスキルが単独で存在するわけではないんです。
たとえば、話しやすい雰囲気を醸し出すことができる。
緊張感の高い状況でも、しっかり笑顔がつくれる。
伝えたいポイントを簡潔にまとめることができる。
相手が話したいことを、落ち着いて聞いてあげることができる。
相手にとって耳の痛いことでも、穏やかに指摘することができる。
これらは、すべて対話力の構成要素(小さなスキル)です。
これらの構成要素を個別に強化すると共に、その連携を強めることによって総合的に対話力が強化されます。
対話力強化講座は、こうした構成要素を体系的に整理して、連携が強まるようにしています。
また、これらはマネジメントに必要なスキルでもあります。
さらに、社内調整に必要なスキルでもある。
くり返しますが、「対話力」「マネジメントスキル」「社内調整力」というのが単独で存在するわけではないんです。
様々な要素の連携を強めることで、それらのスキルが伸びていく。
そして、対話力で必要なスキルは、マネジメントや社内調整で必要なスキルでもある(かぶっている)。
これらを総合して「ヒューマンスキル」と呼ぶわけです。
様々な要素の連携を強めることで、総合的に向上していくものなので、テストでは測りにくい。
そのため、「いつの間にかできるようになる」という感じなのですね。
ここで問題なのが、「手応えが感じられない」ということです。
山登りをするように上達するのであれば、手応えが感じられますよね。
でも、いつの間にかできるようになるのは、手応えが感じられない。
だから、ヒューマンスキルを伸ばすのは、つらい。途中で投げ出したくなる。
ここをガマンして、コツコツと取り組み続ける必要がある。
そこで効果的なのが、「一緒に取り組む人(仲間)」の存在です。
私が「ゼミ」「研究会」を立ち上げた理由がここにあります。
「対話型の説得技法を習得する」
業界や職務内容は違うけど、共通の目的を持って一緒に取り組む人がいる。
そうすると、刺激を受けて飽きずに頑張ることができます。
まあ、いろいろ書きましたが、
「ヒューマンスキルは、様々な要素の連携を強めることで、総合的に向上していくものである」
ということは、ぜひ押さえておいてくださいね。
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