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【対話の中に答えがある ~ クロスロード辻口の「対話上手になるメルマガ」】
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クロスロードの辻口です。
今日は、
「統合知」というものについて・・・
というお話です。
2001年に、こんな興味深い心理学の実験が行われました。
日本人のグループとアメリカ人のグループ。
これら2つのグループに、水中の様子を描いたアニメーションを見せました。
その後、各被験者に「何が見えましたか?」と聞いたところ、
2つのグループはまるで別のアニメを見たように違うことを語りました。
日本人は、「水は緑色で、川のように流れがあり、魚がいて、底には石や貝や水草がありました」。
アメリカ人は、「お腹が白くピンクの斑点がある大きな魚が3匹、左に向かって泳いでいました」。
「日本人は背景や状況に注目する傾向があり、アメリカ人は手前や中心にある『もの』に注目する傾向がある」ということですね。
次の実験では、別のアニメーションを見せました。
やはり水中の様子を描いたもので、前回と同じ点もあれば違うところもある映像です。
すると、日本人は背景の違いには気づいたが、魚の違いは識別できない割合が高かった。
逆に、アメリカ人は魚の違いには気づいたが、背景の違いは識別できない割合が高かった。
面白いですよね。。。
でもこれ、ビジネスに置き換えて考えると、ちょっと怖くないですか?
日本人だけで見ていると、魚の違いが識別できない。
アメリカ人だけで見ていると、背景の違いが識別できない。
すなわち、「同じような人たちで、同じような視点で見ていると、変化に気づけない」ということです。
ここで、もうひとつ問題があります。
今回の実験では、被験者に個別に「何が見えましたか?」と聞いています。
これが、みんなと一緒の部屋で、一人一人順番に、何が見えたかを発表させると、どうなるか。
「前の人の発表に引きずられる」のです。
別の実験ですが、自分の前までの意見が一致している状況で、違った見解を表明できる人は30%だったそうです。
これはアメリカの実験ですので、同調しがちな日本人だったら30%もいかないんじゃないかな。
いろんな人で、いろんな視点で見て、誰かが重要なことに気づいたとしても、それが表明できない可能性がある。
少し大きなことを言いますが、私はここに「現代の日本の閉塞感を打破するポイント」があると思っています。
同じような人たちで、同じような視点で見ているから、重要なことに気づけない。
さらに、誰かが何かに気づいたとしても、同調圧力があるから表現できないし、話し合うことができない。
だから、ブレイクスルーにつながらない。
いろんな人で、いろんな視点で見て、気づいたことを心置きなく表現できて、話し合うことができる。
こうした状態を、意識的につくることが大切です。
ここで、「いろんな人で、いろんな視点で見て、気づいたことを心置きなく表現して、話し合う」ことによって得られた知見を「統合知」と命名したいと思います。
対話力を強化すると、何がいいのか。
「関係が良好になる」「皆がやる気になる」というのは、皆さんよく理解されていると思います。
そして、「統合知が得られる」。
こうしたメリットを、受講者の皆さまに得ていただけるように、研究を続けていこうと思っています。
今後、「統合知を得る」ことをテーマにして、コラムを書くつもりでいます。
それから、「まとまらない話」などでもお話ししようと思っています。
決まったら、ご案内しますね。
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