vol.616 => 「ヒエラルキー」の影響を甘く見てはいけない・・・

□■□■-----------------------------2021.8.30---□■□■

 【対話の中に答えがある ~ クロスロード辻口の「対話上手になるメルマガ」】

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クロスロードの辻口です。

今日は、

     「ヒエラルキー」の影響を甘く見てはいけない・・・

というお話です。

 

「管理職になっても、役員になっても、私は私。何も変わりませんよ」

そう思っている人って、多いのではないでしょうか。

若かった頃の私もそうでした。

しかし、周囲の人たち。とくにメンバーは、そう扱ってくれない。

ちょっと媚びてくる人もいれば、なんだか突っかかってくる人もいたりする。

(ふつうに、これまで通りに、フラットに付き合ってくれればいいのに・・・)

そう思ったことが、たびたびあります。

 

「ヒエラルキー」というものは、太古の昔から生物の間に存在しています。

そして、現代を生きる多種多様な生物の中にも、「ヒエラルキー」が存在します。

ロブスターにさえ、ヒエラルキーがあるのだとか。

人間も、例外ではありません。

ヒエラルキーというと、「学校や社会で上下関係を学ぶもの」というイメージがありますよね。

しかし、実際には「私たちの奥深くにヒエラルキーがプログラミングされている」のだそうです。

これが、私たちの行動に大きく影響しています。

わかりやすく、チンパンジーたちのボスへの処し方を見てみましょう。

「大人しく従う」「相手が自分より弱いと思ったら歯向かう」「そのグループから出ていく」の3つ。

皆さんが所属している組織のヒエラルキーも、そんな感じはありませんか?

 

上司としては、「ヒエラルキーなんか気にしないで、フラットに意見交換しようよ」と思っている。

しかし、部下はなかなかそれに応じない。

私たちの奥深くにプログラミングされているのは、「従うか、歯向かうか、出ていくか」。

「ボスとフラットにやり取りする」なんてプログラムは組み込まれていないんです。

だから、何もせずにいたら、「部下とフラットに話し合う」なんてできないわけです。

「フラットに意見交換しようよ」と言うだけではダメなんですよね。

しっかりと、「アイスブレイク・ウォームアップ」をしなければならない。

 

対話力強化講座を学んで、「ロジカルに話し合う」ことの重要さに気づいた人は多いと思います。

しかし、「アイスブレイク・ウォームアップ」も同じく(それ以上に)重要なんです。

ちょっとしたヒエラルキーの存在によって、フラットな話し合いができなくなってしまう。

だからこそ、「ホカホカ⇒視点取得」がホントに大事なんですね。

 

なお近年、霊長類学に女性研究者が多数進出したおかげで、次々と画期的な発見がされています。

前回も書きましたね。

いくら優秀な人の集まりでも、同じような人ばかりだと、重要なことを見落としてしまう。

これまでの霊長類研究は、(特に欧米の)男性目線が中心で、オスの支配性とその交尾行動ばかりに注目していました。

しかし、女性研究者の活躍によって、実はメスにもヒエラルキーがあることがわかってきました。

さらに、群れの意思決定は、オスのボスザルの意向よりも、メスの血縁者のグループの影響が大きいとのこと。

あれっ? なんだか、人間と似ていますね(^^)。

というか、人間って、そんなに特別な存在じゃないんですね・・・。

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