□■□■-----------------------------2021.9.13---□■□■
【対話の中に答えがある ~ クロスロード辻口の「対話上手になるメルマガ」】
□■□■-----------------------------------□■□■
クロスロードの辻口です。
今日は、
ヒエラルキーの功罪・・・
というお話です。
2014年に、ヒマラヤ登山隊に関する非常に大がかりな研究が行われました。
(南カリフォルニア大学 エリック・M・アニシッチ氏らによる )
56か国、計30,625人、5,104回の遠征を詳細に分析したものです。
アニシッチ氏は、組織マネジメントが専門で、「ヒエラルキー」が登山の成功率にどう影響するかに興味を持っていました。
そこで、「権威ある者を敬う文化の国(序列文化圏)」と「平等意識の高い文化の国(平等文化圏)」とで比較をしたわけです。
その結果、序列文化圏で育った人たちで構成された登山隊の方が、登頂の成功率が高ったことがわかりました。
しかし一方で、亡くなった人の数も多かった。
これは、「登山隊としての結果」であり、「単独登山での結果」では両文化圏での差は見られませんでした。
さらに、この結果を踏まえて、27か国のベテラン登山家にアンケートをとりました。
彼らが言うには、ヒエラルキーがハッキリしているほうが、細かいことでいちいち揉めなくていい。
たとえば、登山には渋滞があったりしますが、そういう時は序列文化圏のほうがスムーズに動けます。
しかし、ヒエラルキーによって、メンバーがリーダーに進言しにくくなる傾向がある。
メンバーが何かの異変に気づいても、リーダーに伝えることをためらってしまう。
これが、悲惨な事故につながるわけですね。
わかりやすく言うと、ヒエラルキーがあるほうが効率的に動けます。
だから、安定的な状況の時には有利に働きます。
しかし、状況が変化した時には硬直的になる。そのため悲劇が起きやすい。
これ、ホント、ビジネスと同じですよね。
「ヒエラルキーがダメ」というわけではないんです。いい面もあれば、悪い面もある。
そこで大事なのが、上に立つ者の対話力です。
ヒエラルキーのメリットは享受しつつ、メンバーからの意見や知恵も吸い上げる。
これが理想ですよね。
「対話型のマネジメント」研究会では、こんな事例を挙げながら研究を重ねていきたいと思っています。
------------------------------------------
▼話をわかりやすくするために、割り切った表現をすることがあります。ご容赦くださいませ。
▼本メールで得たノウハウや考え方などを、転用、転載、転送するのは、まったく構いません。
断る必要も出典を明示する必要もありません。遠慮なさらずどんどん使い回してください(^^)/
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■発行元 :クロスロード株式会社 http://www.taiwaryoku.jp/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright (c) 2021 CROSSROADS,INC. All Rights Reserved.