vol.626 => 久しぶりに会って、フラットに意見交換してみると、意外な発見がある・・・

□■□■-----------------------------2021.11.08-□■□■

 【対話の中に答えがある ~ クロスロード辻口の「対話上手になるメルマガ」】

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クロスロードの辻口です。

今日は、

 久しぶりに会って、フラットに意見交換してみると、意外な発見がある・・・

というお話です。

 

緊急事態宣言が解除されてから、なるべく外に出て人と会うようにしています。

すっかり出不精になったので、ちょっとリハビリをしようかと(^^; 。

会食にも、ポツポツ出かけるようになりました。

やっぱり、リアルに対面で話すことで得られる情報は違いますからね。

もちろん、感染予防には気をつけながら。。。

 

それで、ひとつ思い出したことがあります。

人は、「過去の記憶を思い出す時に、その時の状況を手掛かりにする」ことが多いんです。

昔懐かしい場所に身を置くと、いろんな記憶が甦ってくる。

そういうことって、ありますよね。

舞台俳優が膨大な量の台詞を記憶できるのも、状況を手掛かりにするからだそうです。

「この場面では、この台詞」というのが頭の中で紐づけされている。

だから、舞台に立つとスラスラ台詞が出てくる。

 

なぜ、このことを思い出したかと言うと、コロナ禍に陥ったすぐ後の頃に、ある人と飲んだんです。

その人は、営業の叩き上げで、ある企業の営業部長をしています。

一年半前、彼は「俺はオンラインを使った営業なんか認めない!」と息巻いていました。

「お客さんと会わないで、営業できるわけないじゃないか!」という感じです。

それが、先日会った時には、「車もそうだけど、やっぱりハイブリッドだ!」。

「古いやり方にこだわっていると、生き残れないからね」という感じになっていました。

ずいぶん、意見が変わっていますよね。

 

面白いのが、本人には「意見が変わった」という自覚がないことです。

「いや、オレは当初からハイブリッドだと思っていたよ」と言い張る。

しかし、一年半前、同じ店の、同じ席で、同じ酒を飲みながら、まったく違うことを言っていたのです(^^)。

 

人間は、「当時、自分はどういう考えを持っていたか」を思い出すのが苦手なのです。

これについては、いくつもの実験があります。

たとえば、死刑制度の是非について、考えを述べさせる。

その後に、専門家の説得力ある見解を聞かせます。

そうすると、その見解に引きずられて、考えに変化が起こります。

面白いのが、「元々の自分の意見はどうだったか?」と聞かれると、正確に思い出せない。

「自分は元々このように考えていたと思うんですが・・・」という感じになります。

一年半前どころか、「数時間前に自分が考えていたこと」を正確に思い出せないのです。

 

何が言いたいかというと、

コロナ禍に陥って以降の一年半ほどで、ずいぶん人の考えが変わっている

ということを、あらためて実感したわけです。

 

当人には、あんまり自覚がないですけどね。

もう一つ言うと、「この人、以前こう言っていたからな…」と思い込まない、決めつけないことです。

「以前、こう言っていたけど、今はどうかな?」という感じで、フラットに意見交換してみる。

そうすると、意外な発見があるかもしれませんよ。

そして、あきらめていたことが、進められるかもしれませんよ(^^)。

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