□■□■-----------------------------2023.1.23---□■□■
【対話の中に答えがある ~ クロスロード辻口の「対話上手になるメルマガ」】
□■□■-----------------------------------□■□■
クロスロードの辻口です。
今日は
「なぜ、●●なのか?」に気をつけよう・・・
というお話です。
「なぜ、●●なのか?」
書籍やネット記事のタイトルで、よく見かけますよね。
「なぜ、日本企業の労働生産性は低いのか?」
「なぜ、日本の一人当たりGDPは低迷しているのか?」
「なぜ、日本人は対話が苦手なのか?」
等々・・・。
この表現には、気をつけてください。
「なぜ、●●なのか?」と問いかけることによって、
「●●である」ことを疑わせないで、本題(当人の主張)に入ることができます。
たとえば、
「2021年の日本の一人当たりGDPは27位です。なぜ低迷しているのでしょうか?」
こう問いかけた後に、「いかに日本の企業や組織がダメか」という主張を述べる。
いや、ちょっと待ってください。
たしかに、日本の成長率は低いし、企業や組織に問題はあります。
でもね、「一人当たり名目GDPのランキング」をよく見てみましょう。
1位 ルクセンブルク
2位 アイルランド
3位 スイス
4位 ノルウェー
5位 シンガポール
6位 アイスランド
7位 アメリカ
ん? あれ? と思いませんか? 上位って、みんな小国ですよね。
少し考えれば当たり前ですが、一人当たりGDPって「人口が少ない国のほうが有利」なんです。
「なぜ、●●なのか?」という問いかけから始めることで、
こうした疑問を抱かせないで、本文(当人の主張)に入ることができます。
さらに、この「なぜ、●●なのか?」という表現が危険なのが、
こう問いかけられると、それを裏付ける情報をつい頭に思い浮かべてしまうことです。
「なぜ、日本人は対話が苦手なのか?」
こう問いかけられると、「島国」「同調圧力」「以心伝心」などを思い浮かべますよね。
そして、本文(相手の主張)の中にそれらの項目が並べられると、「なるほどその通り!」と思ってしまいます。
これは、対話についての研究で有名な、劇作家の平田オリザ氏が言い始めました。
この話の流れで、「日本人は対話が苦手である」というのが定説になっています。
私は、この定説には反対です。
「日本人は、議論・討論は苦手だが、対話は得意であり、向いている」と考えています。
「なぜ、日本人は対話が苦手なのか?」
「でも、一神教とか一党独裁でありながら、対話が得意というのもおかしいんじゃないの?」
こう考えてみても、いいんですよね。
「なぜ、●●なのか?」という表現を見かけたら、アヤシイと感じてください。
そして、その主張を鵜呑みにせず、「本当に●●なのかな?」という疑問を持ってください(^^)。
------------------------------------------
▼話をわかりやすくするために、割り切った表現をすることがあります。ご容赦くださいませ。
▼本メールで得たノウハウや考え方などを、転用、転載、転送するのは、まったく構いません。
断る必要も出典を明示する必要もありません。遠慮なさらずどんどん使い回してください(^^)/
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■発行元 :クロスロード株式会社 http://www.taiwaryoku.jp/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright (c) 2023 CROSSROADS CO., Ltd. All Rights Reserved.